Onoma.blogについて

江藤榮吉郎の聖書を譲り受けた時、鎖国でキリスト教を排除してきた歴史のある日本において、明治時代から「ヱホバ」という名前を使っていたことに驚きを隠せませんでした。

神の名前を初めて英語に訳したのは、西暦1382年ごろ,ジョン・ウィクリフとその仲間たちは,世界初の英訳聖書を完成させました。ウィリアム・ティンダルは、西暦1530年に聖書の最初の五書の中で、「イェホゥア」(Iehouah)というスペルを使いました。西暦1611年ジェームズ王欽定訳は、神様のお名前を4箇所”JEHOVAH”(エホバ)と訳しました。しかし多くの聖書は、神様のお名前を使ってはいません。

神のお名前についていろいろ調査してみると面白い事実が分かってきました。神様の本名に特化して研究していくと膨大な資料があって、個人的に情報を整理するために本サイトを立ち上げることにいたしました。ONOMA (ὄνομα)とは、”名前”を意味するギリシャ語から取りました。

神様のお名前ー聖書別登場数

聖書は発見された膨大な写本群を丹念に修復し、比較検証を繰り返し、ソースとなる本文が更新されています。

旧約聖書は、ルドルフ・キッテルのビブリア・ヘブライカ (Rudolf Kittel’s Biblia Hebraica; BHK)が編纂を開始し、ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(Biblia Hebraica Stuttgartensia;BHS)が更新を引き継ぎ、ビブリア・ヘブライカ・クインタが(Biblia Hebraica Quinta; BHQ)編纂中です。

これまでBHKとBHSは多くの聖書翻訳の主要なソースとして用いられてきました。この本文には、神様のお名前であるヘブライ語の4文字(יהוה;テトラグラマトンと呼ばれる)が、6,828回用いられています。

1887年(明治20年)に、旧約聖書の日本語への翻訳が完成した「舊新約全書」ですが、神様の名前「ヱホバ」を、数えてみたところ、7,331回ほど使用していることが分かりました。これまでに翻訳された聖書では、世界で一番、神様のお名前を使用している聖書であると言えます。

神様のお名前を使用していることで有名な「新世界訳聖書」は、聖書本文に厳密に近づけることに力を注いでいます。写本を繰り返す中で入り込んだ、明らかな間違いを加筆修正しており、BHKとBHSより151回ほど多い、6,979回「エホバ」を使用しています。


ジェームズ・ストロング(1822-1894年)は、Strong’s “Exhaustive Concordance of the Bible”の中で聖書中の単語に分類番号を付けました。(エホバ:H3068 – yᵊhōvâ ;イエス:G2424)

Strong’s Greek and Hebrew Dictionaries (1890)

左近義弼訳聖書

明治時代に福沢諭吉から学び、その後、著名な日本の聖書学者であり聖書翻訳者となられた左近義弼氏は、1905年以降、聖書翻訳を始められました。青山学院の教授(1907年-1937年)として活動される中、「マタイの伝へし福音書」博文館(1907年)、「詩篇」聖書改訳社(1909年)、「創世記」聖書改訳社(1911年)、「耶蘇伝 新約聖書」編訳 聖書改訳社(1914年)、「耶蘇教の初代-使途行伝」訳編 聖書改訳社(1919年)を翻訳しておられます。

新約聖書の本文として、ウェストコットとホートによる「ギリシャ語原語による新約聖書」 (The New Testament in the Original Greek)や、ネストレとアーラントによる「ギリシア語新約聖書」(Novum Testamentum Graece)が使用されています。

いずれの本文にも神様のお名前の部分は「主人」という意味の(Κύριος, キュリオス)で表記しています。翻訳する時は「神、主」と訳しています。もともと「神」を意味する(Θεός, テオス)も「神」ですから、文脈や接頭大文字などによって見分けるようになっています。

ちなみにΘεόςの前に冠詞がある場合 (ὁ θεός, τὸν θεόν)と、冠詞が無い場合では訳し方が異なります。

「耶蘇伝 新約聖書」左近義弼訳では、神様のお名前を56回本文中で「ヤーヱ」と表記しています。

当サイトで使用している聖書

1.分かりやすい現代語翻訳なので、新世界訳聖書(2019年改訂版)を引用しています。

2.ギリシャ語と英語の逐語訳箇所では、「The Kingdom Interlinear Translation of the Greek Scriptures」を引用しています。ウェストコットとホートによる「ギリシャ語原語による新約聖書」 (The New Testament in the Original Greek)が用いられています。

執筆中2026.03.02

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